山の蘭花草姿

2017年11月13日 (月)

とにかく更新

久しぶりに春蘭の本を買いました。
もう夢中で見入っちゃいました。
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立ち読み無しでしたが予想通り交配種のオンパレードでした。
個人的には他にもっと一面使って紹介していいんじゃないかなと思う品種がたくさんありましたが、きっと時代の流れだとか色々事情があるのでしょうね。
女雛系の交配種は別ジャンル用意して女雛を親とした作出展を開いた方が盛り上がるんじゃないかと思います。
交配種って胸を張ればいいんですよ。
原種と一緒にしないほうが将来的に良いと思います。
がはは!偉そうなこと言っちゃった!

春蘭の本出してくださるのは誠にありがたい事です(土下座)


また春の思い出から。
お世話になっている横須賀の展示会から一枚。
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『日南』
会長Sさんの作品。
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ぜーーったい、分けてもらうんだー!!!


今年の小泉進次郎賞は
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『光琳』でした!
Kさん出品。
表彰式には進次郎さんも駆け付けてくださいました。



今日のキノコ。
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春の終わりに撮影したツチグリです。
たまに見かけては…
どの木から落ちて来るんだろ?
と、思ってたのですがキノコだったのですね!

山の展示会からも一枚。
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春はたくさん山を歩くので展示会の写真など紹介するタイミングを逃してしまいます。
ちょいちょい季節外れの記事になりますが生温い目でおつきあいください。


ご笑覧ありがとうございました。




2017年11月 7日 (火)

森は実りのとき

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秋晴れが続いています。

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森の葉も染まり、落葉の季節です。

不思議な色合いです。
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ウスムラサキシメジに似ています。
詳しい方教えてください。

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傘はハリがあってつつくとコツンという感触でした。

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美しい色ですね。

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春蘭の実生たちがすくすくと育っていました。

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こんないい加減な柵ですがある程度の食害は防げました。
夏を乗り越え、新子は無事に伸びています。

うさぎに狙われやすい株を重点的に柵を補強します。
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やりすぎたかも。

花が咲いたらいいな。




今週はつくばにいます。





2017年11月 4日 (土)

秋深まる

いつの間にか11月です。
お山の写真をいくつか紹介します。
キノコもよく出ていてついつい写真を撮ってしまいます。
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タマゴタケとは違うように思えます。
親指くらいの小さな姿のものがポツポツ出ていました。


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幽霊葉です。
だめです。葉緑素が全くないのでお手上げです。
近くには何もありませんでした。


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なめこっぽいキノコ。


別のお山へ。
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また幽霊葉です。これも救いようがないものでした。


付近を探索。
雨がポツポツ。
雲行きが怪しくなって来ました。
暗くなる前に実生の寄りに眼を凝らします。
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非常に地味ですが気になります。

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黒点の出方が散り斑っぽいかもしれない…。

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新芽を確認しないと何とも言えません。
とても難しいところです。
葉は硬めです。




2017年10月30日 (月)

ただいま東京

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春の思い出から。


倉敷に出張していて、ひとつわかった事があります。

私は、、、

瀬戸内海の景色がめちゃくちゃ好きだと!
わー!綺麗だったなーほとんど雨だったけど。

さて、そろそろ山に行きたいな。

2017年10月11日 (水)

備中国へ

昨年も岡山県を歩かせていただきましたが
今回は備中国(びっちゅうのくに)へ向かいました。

とても個人的な印象ですが、中国地方は杉檜等の植林が関東地方より少ない代わりに常緑樹林に覆われている山が多いと思います。
はじめての土地で春蘭が生えてそうな山を探すのは骨が折れますのであらかじめ地図で落葉樹林のありそうな場所に目星を付け出発。
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いくつかの選択肢がありました。
雨の後という事と今秋はじめての散策になるため、まだ体(というより目)が慣れていないので、ポイントまでの距離がほぼゼロのお散歩コースにすることにしました。
お散歩コースは山道の両脇の斜面を見て歩くだけで深入りしないコースとなっております。
山道に入ってすぐポツポツと春蘭が現れました。
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碑(いしぶみ)に寄り添うように。

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岩から湧き出るように。

少し山道を進むと期待どおりに落葉樹林になっていました。
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前回とは違って実生や子株の数が多くて観察しきれないほどです。
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たくさんありましたが個性を感じられる個体には出逢えません。

キノコが其処彼処に出ていました。
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瑠璃初茸(ルリハツタケ)です。
稲木先生の窯で焼いたようないい色でした。

不明のキノコ。名前教えてください。
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細い足にフリル状の傘がとても可愛い。
クヌギタケに似ていると思ったのですが、
クヌギではなく、落葉樹林の山道脇に出ていました。

これも分かりません。教えてくださいませ。
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ホウキタケの仲間でしょうか?
調べても分かりません。

こんな風に斜面が崩れてぶら下がった状態の株がちらほら。
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そのまま崩れて落下したのか、獣に引っ張られたのか、
根っこ丸出しで転がっている株もよく見かけました。
落下寸前の株をよく見ると…

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凝り芽ですかね? かじられた跡はありません。
葉先が爪覆輪状に見えます。
2枚残された古木は今にもちぎれそうで状態悪く、
斑の出ていた様子は特になし。部分的に糸覆輪状に見えるのみでした。

キノコのカテゴリ作ろうかな?
面白い世界ですよね。
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またこんな風に行ったことのない山を歩きたいです。

ご笑覧ありがとうございます。




2017年9月25日 (月)

対処法がわからない

後ろから枯れて来る症状に悩まされます。
葉先からではなく付けの線辺りから
葉先に向かって枯れ込みます。
大事にしてるものほど狙われたように病みます。
もちろん葉をベタベタ触らないように気を使っていても。
春に新しい土で植え替えたばかりのものでも。
栄養が足りていないまま新芽を成長させてしまって
夏の暑さで免疫が落ちたときにプツンと発病するのかなぁ。。
あまり肥料与えないから増やして見ようかなぁ。。
蘭はわからないことばかり(;_;)

春の思い出から。
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一期一会です。


じゃん!
ちょっとエイリアンの卵みたい。
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何の実か知ってますか?
調べたらアク抜きの行程が長過ぎてびっくりしました。
もっと簡単には出来ないものですか?

ここからはお知らせです。
お世話になっている稲木先生の作陶展の中伊豆展があります。
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先生の作品には蘭鉢もたくさんあります。
それを見たり選ぶだけでも楽しいですが
自分の理想を鉢にしたい方はこの機会にぜひ!





2017年9月19日 (火)

出張終わって試験勉強中なり

そういう事なんです。
先週末で長かった夏の出張は終わりました。
かなり太りました。デブです。
そして近々、資格試験が控えているので
お勉強したりゲームで遊んでばかりいて
山はしばらく行けそうもありません。

ユンナンさんの通っていた高校は途中から選択授業形式だったので
その頃から数字や物理とは無縁の人生を送っておりました。
出来ればこの先も無縁であってほしかったのですが…
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捕まってしまいました。
今月末までは数字の牢獄に収監されております。


新鮮なネタが無いので今春の出逢いから
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花形部門優秀賞。


春、朱金を発見した日に初めて写真におさめることが出来ました。
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可愛い可愛いビロードツリアブです。
可愛いモフモフ♪


こちらは可愛さゼロ。
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ゾンビみたいに見えません?


写真の紹介は以上です。


あと過去の記事を読んでその後を楽しみにしてくださっていた方もいらっしゃるかと思うので残念なお知らせも洗いざらい書いておきます。

1枚しか葉を出さないカチカチの子は
ついに2枚葉を展開しようとしていたのですが
出張から戻ると茶色くなっていました。

ユンナンさんの近年の発見のなかでも本命とも言えた立ち葉は…
出張から戻ると茶色くなっていました。


出張から戻ると茶色くなるんだと勉強になりました。
元気出して行きましょう。
試験のあとは倉敷へ出張です。
まだまだ踏ん張りどころは続きます。

乱筆ラン文失礼しました。
いつもご笑覧ありがとうございます!






2017年6月 7日 (水)

陰日向なく咲く姿が好き

4月、豆州にて蝶花を見つけたあと、Mさんと少し寄り道しました。

こちらは寄り道前、蝶花の近くで咲いていた春蘭。
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雰囲気があって座り込んでじっと見てしまいました。
誰にも見られないような暗いところでも優しく微笑んでいる姿。
この日も花粉症の薬のせいでふらふらだったので、この花の側で眠りたくなりました。
……はっ、いかん!


珍しいものを入手するためにヤケになったり
転売目的であちこち交換会に出入りしたり
そういう事って欲がある限り絶えないし
自分がそうするかもしれない
そうなったとき
本当に心から春蘭が好きなのではなく
ただ存在する理由に自分は春蘭が好きなんだ
という理屈をこじつけるようになってしまいそうで
私はそれは悲しいので気をつけなければなと時々思います。


移動した先でMさんが立ち葉の面白い実生が出ている斜面を見つけました。
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燕尾になってるものがありました。ボヤけてみづらいですね。


松の葉くらい細い立ち葉がありました。
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sharaさんのお家に忘れて来てしまった/(^o^)\
ご迷惑をおかけしますm(._.)m





春に入社して来た新人がいます。彼は挨拶も出来ないし、いくら教えても仕事を覚えられない。臨機応変に動くことが極めて苦手だった。
なぜ、職場で挨拶するのか?という所から教え、ご飯に連れてって彼の半生を聞いてあげたりした。彼は態度が悪くて挨拶が出来ないのではなく、ひとつの思考に集中しすぎるために周囲を人が通り過ぎても気が付かないのだった。
彼は発達障害の認定を受けていた。私の仕事はいつ死んでもおかしくない危険に囲まれてるので、注意力が散漫な人には向いていない。毎回やる事も違うため臨機応変さが必要になる。会社としても彼にわざわざ怪我をさせに行くような事は出来ない。残念ながら本人の同意のうえで彼は会社を去る事になった。
彼に出来そうな仕事を手当たり次第プリントアウトして渡す事、人生の登場人物でいてあげることしか今の私には出来なかった。






2017年5月17日 (水)

縁のお話し

四月に投稿した山の色花の記事に載せなかった写真を当日の紆余曲折を織り交ぜてご紹介いたします。ちょっとながいですが、見つかるときはそんなものなのか、と流して呼んでくださると幸いです。


四月初旬。
8時半ごろアオイカンさんと待ち合わせして出発。
早速、目星を付けてくださっていた山へ。昔、覆輪などを見つけているそうで、見た目にも良い環境で何かありそうな雰囲気満々だったのですが…、今回は何も見つかりませんでした。

「どうする? 去年散り斑覆輪みつけたとこ行ってみる? それともぶらっと走ってみようか?」
「うーーーん。そうですねー、せっかくなので行ったことない新しい場所探したいですね」

ご自身も行きたい場所があるでしょうにワガママに付き合ってくださるアオイカンさんには頭が上がりません。

「向こうは山が深いねー。これ以上先は似たような山に囲まれてるし、この辺を歩いてみようか」
「そうですね。ありがとうございます」

私が優柔不断すぎて日が暮れかねないので、アオイカンさんがほどよくバランスを取ってくれます。初めての山です。何の情報も無く全くの未知数です。
この頃、花粉症真っ盛りだった私はアレルギー薬を手放せず、薬のせいか異様に喉が渇いてこの山に入る前に水を飲み干してしまいます。見兼ねたアオイカンさんが予備に持って来たお茶を1本譲ってくださったのですが、それも異様な喉の渇きでハイペースで飲み進めてしまいます。朝ご飯は食べて来たのに時折、立ち眩みがするようになり、三十代とは思えないトロさで散策をします。思いのほか自生数が多く、飽きることなく散策をし、あっという間に昼時に。アオイカンさんの奥様が用意してくださったお弁当を美味しくいただきました。本当にありがとうございました。とっても美味しかったです!

「いやぁ、何もないっすね…」
「無いのが当たり前だよ」

すっかり朝の元気が消えてしまった私とは違い、多くの当たり前を乗り越えてきた先輩の言葉は清々としていて、諦めの悪い私の浅ましさを照らし出すようでした。

「そうですね。ゴクゴク……はっ!」

このとき、アオイカンさんにもらったお茶すら飲み干してしまう失態を犯します。

「場所変えてみる? 私はその先まで歩いたけど、それとも来た方と反対行ってみる?」
「そうですね。今から他の山探すのは厳しいですよね。戻りましょうか」

13時過ぎ、我々は来た道と反対のまだ歩いていない方へと進みました。1時間ほど散策しますがめぼしい発見はなし。
私は立ち眩みの頻度が増して、おまけに水も切らしてしまって精神的にも体力的にも追い詰められ、山道脇にへたり込んでしまう始末です。

「ちょっと座って休んでなよ」
「はい。。すみません」

14時19分。この日、一番期待出来そうな斜面の前で決断を迫られます。

「私はまだ歩けるけど、喉も渇いてるだろうし、先に降りるかい?」
「いえ、少し休んだので大丈夫です。すみません」
「そしたらこの斜面、ここから登って先に進んでみるかい? それとも帰る方向に下りながら歩いてみるかい?」

大丈夫とは言ったものの、もうふらふらで帰りたい気持ちも強かったのですが、今日も色んなところへ連れて行ってくださって、いつもお世話になっているアオイカンさんに何か少し、少し変わったものでいいからお礼に見つけたかったのです。

「じゃあ、すみません、帰る方向に歩いてみましょう。僕が上のほうを見ますのでアオイカンさんは下のほうをお願いします」
「あいよ!」

斜面の縁は傾向的にたくさん生えてるものですから、体力のない今の自分には難しいなと思ったのです。

と、意気込んだものの私はけっきょく少し歩いては立ち眩みの繰り返しで、まったく猫の方が役に立ったのではないでしょうか。元々、散策スピードの速いアオイカンさんは先へ先へと進んで行きます。もはや斜面で踏ん張る力もない私は助けを求めるようにふにゃふにゃと木の枝にしがみついて平らな尾根に出ました。
実は立ち眩みに苦しんだのは今日だけでなく、今期は何度か同じ目にあっていました。
いったい私の体はどうなってしまったのだろう?太り過ぎか?本気で痩せないといけないなぁ…と、もう散策する気力はすっかり薄らいで、虚ろな目で尾根から斜面を見下ろしました。春蘭の花の後ろ姿が見えました。日焼け花かな。悔しいな…と、ぼんやりと目に入ったその花の元に膝をつきました。

14時43分。
それは後ろ姿でしたが、花焼けでもモヤシ咲きでもなく、明確な色を持ってそこにありました。

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「…………」

時間が止まっていました。

「アオイカンさーん!」
「はーい」

このときアオイカンさんは、私がまた変なモヤシ花を見つけて呼んでいると思ったそうです(笑)

「出たあー!」

ヘタレきっていたのに、どこからそんな大声出せたのか不思議ですが、咄嗟にアオイカンさんを呼びました。

「何がー!?」
「あかばなー!(朱金と思われる)」
「えーー」


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午後4時過ぎ。ゆっくり山を降りました。
自販機にすがりつくように水とスポーツドリンクを買いました。水のペットボトルには、山の朱金を一花を摘んで浮かべました。

夕暮れ前、少し時間があったのでコンビニに寄ってもらい、菓子パンでカロリー補給し、ちょこっと寄り道して帰りました。
その様子はこちらの記事をご覧ください。

その後、今期最後の花散策でも立ち眩みに悩まされ、よくよく調べてみると花粉症の薬の副作用だと分かりました。特に“眠くならないタイプ”のものは山歩きする方は要注意です。花粉症はつらいですが、倒れてしまっては元も子もありません。お花見は鼻水垂らしてなんぼですね。

……とはいえ、もしあの日、立ち眩みでふらふらになっていなかったら色花を発見出来たでしょうか。あの決断を迫られたとき、さらに先に進んで日が暮れていたら…。
多くの出来事は偶然で成り立っています。その偶然を面白いものにするのが人と人との縁(えん)だと私は思うのです。
すずき園芸から始まり、ルさんと出逢い、そんちょと出逢い、蘭迷さんと出逢い、m's ranさんと出逢い、稲木先生と出逢い、sharaさんと出逢い、こうちょうせんせいと出逢い、そんちょの盟友アオイカンさんと出逢うことがなければ、今の私はありません。自分からも動き出さなければとゴリョウさん、大阪の皆さん、横須賀の皆さん、いつもお世話になっているMさんとの縁。そういう見えない全ての縁が思わぬ偶然を呼び込み、いつも私を蘭の元へ導いてくれるのだと思います。それは一人で歩いていてもです。





2017年5月10日 (水)

隔りに架かる橋

私が蘭を始めて3年目の頃、花弁に僅かに色を感じる個体と出逢いました。
様々な角度から覗き込み、花弁を何度も透かし、モヤシ咲きでもなく、日焼けでもなく、霜焼けでもない…と見る目も無いのに悩まされたのです。
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この内から照らすような、滲み出るような雰囲気は何だったのだろう。

もう8年ほど前の事で、あの頃は山の蘭が鹿やウサギによる食害で深刻な目に遭っている事にまだ気付いていませんでした。そのため、受粉して実生を出して、もっと変わった仲間を増やしてほしいと、私はその個体を山に残しました。
先日、本当の色花を山で目にして以来、その8年ほど前の出来事を思い起こす機会が増え、しまいには居ても立っても居られずに数年ぶりにその山に向かうことになりました。しかし、もう鹿の餌になっていておかしくない歳月が過ぎていました。


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崖の多い危険な山です。正直、久しぶりになったのはキツくて避けていたのも理由のひとつです。。
登り始めてしばらく、斜面を間違えたかと思って足を止めました。春蘭が見当たらないのです。山の景色は面白いほど覚えていました。景色は変わっていないのに、春蘭の姿が見えない。不安を背負い、息を枯らして見つけた個体はどれもかろうじて埋もれた芋から顔を出す弱々しい姿。それすらも齧られて、獣の餌になるために生えているようでした。
消えた春蘭の代わりに、山は鹿とウサギの糞だらけでした。これほどまで糞だらけの山は歩いた事がありません。何度もそれの上に手をつきそうになりましたし、道中、私に気付いて谷を駆け降りる鹿を数頭みかけました。

約4時間の散策で花を見れたのは僅か5株。
一過性と思いますが左副弁に縞が出ているものがありました。
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花の付いている個体は食害を逃れるように安全な場所に根付いています。

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私は人間なので木につかまったり猿のように立ち止まれますが、鹿にとっては崖のへりなどは立ち止まっていられないのですね。
始めてここを歩いたときは目移りするほど花を見れました。
食害増加の原因は見当が付くのですが、それは人の暮らしを守るためのものであり、やむを得ない事です。

例の個体があった付近を当時を懐かしみながらしみじみと歩きました。
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そこにはやはり齧られて、一篠にも満たないような個体がいくつかあり、それらは来る年も来る年も獣に食われ、その度に弱々しく新芽を出す事の繰り返しで、そんな風にしかこの山では存在出来ないのでしょう。溜め息が漏れます。哀れみを感じつつ、そんな姿に人間界を重ねてしまうのでした。これは主に私が貧乏人だからですね!お給料が出ても税金税金保険料、家賃光熱費の支払い支払いまた支払いでいつになったら蘭小屋を持てるのでしょうかね!…溜め息が漏れます。


陽も暮れそうなので帰ろうとしたところ、悪い癖であと少しと帰路とは反対に歩を進めてしまいました。
急斜面の窪みに深く深く積もった落ち葉の床に実生が出ていました。
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それは散り斑の坪となっていました。これらも大きく育てば鹿に見つかってしまうのでしょう。

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外葉に中透け状の散り斑が入っていました。


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一年木となり、斑は暗くなっているものの袴に目を凝らすと散り斑を感じ取ることが出来ます。


比較的大きく二篠立ちになっている個体もありました。
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ところどころ糸覆輪状にも出ています。

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細く縞が流れていたり、まだ迷っているのでしょうか。


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葉先がかぎ爪状になって止め葉が詰まってしまっています。

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小さな体より太い根を覗かせていました。



山と人の世。
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その隔りに架かる橋を渡ります。

いつか橋が消えてしまうまで、どれだけの夢をみられるのでしょう。





ご笑覧ありがとうございました。




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